The Principles of Insurance

保険(insurance)の原理

大数の法則
確率論・統計学で確立されている大数の法則をわれわれの社会におけるさまざまなリスクに適用すると、個々の局面で捉えると予測困難で、かつ致命的な損害になりうるようなリスクであっても、同等の危険を十分な数集めることによって確率的に予測可能になり、また経済的損失も変動の少ないものになりうると考えられる。

現代の保険(insurance)は基本的に上の考えに基づいて運営されているものであるが、事業として公平かつ安定に営むために以下の原則の遵守が要請されている。

給付・反対給付均等の原則
契約者と保険(insurance)会社の間に締結される保険(insurance)契約において、保険(insurance)金と保険(insurance)料の間では以下の関係が満たされることが要請される。これを給付・反対給付均等の原則と呼ぶ。

P = ωZ

ここでPは保険(insurance)料、ωは定量化された保険(insurance)事故のリスク、Zは保険(insurance)金を表す。この原則は、保険(insurance)事故発生のリスクを媒介として保険(insurance)金(給付)と保険(insurance)料(反対給付)が等しくなるように要請されていることを示す。これによって保険(insurance)に加入する者は右辺に示される不確実なリスクを左辺に示す確実な保険(insurance)料と等価交換することができ、逆に保険(insurance)者(たとえば保険(insurance)会社)は確実な保険(insurance)料を受け取る代わりにこのリスクを引き受けていることを意味している。この原則が守られているという条件において、契約者と保険(insurance)会社のいずれにも不当な利得は発生せず、保険(insurance)契約は公正であると言える。